主夫になったばかりの頃、来る日も来る日も家事育児の繰り返しの日々が続くとふと「自分は何をしているんだろう…」という気持ちになることがあった。
何でこんな面倒なことを俺はしているんだ?と。
それまでサラリーマンとして様々な人とかかわっていた状態からいきなり一人になったため孤独感も強かった。
日常的に人との交流はなく、黙々と家事育児をする。
これは正直精神的に来るものがあった。
それでも続けて来れたのは家族、特に奥さんから毎日労ってもらっていたからだと今ならわかる。
当時はシュフ業にまだ慣れていなくて労いの言葉のありがたさをわかっていなかったけど、あの不慣れな頃を乗り越えられたのは間違いなく家族からの感謝の言葉のおかげだった。
「ありがとう」「お疲れ様」や料理を食べた時の「美味しい」は確かにただの言葉だが、シュフにとっては数少ない報酬である。
疲れたシュフに必要なのは「ねぎらいの言葉」であって、解決策の提示ではないのだ。
ここをパートナーが理解しているかどうかで、シュフの負担は驚くほど変わってくる。
シュフ業は肉体労働である
家事育児は肉体労働だ。
だから男の方が向いている部分は色々とある。
水を吸った洗濯物はいくら脱水をかけても通常の1.5倍以上の重さにはなるし、しかもそれを何枚もまとめて運ぶ。
部屋に掃除機をかける時も置いてあるものを動かす必要があるし、布団を干したり取り込んだりというのも力仕事だ。
風呂掃除・トイレ掃除・シンクの掃除も頑固な汚れは力を入れる必要があるし体勢的に辛い時もある。
子供の送り迎えや病院、買い物に自転車を使っていたらこれがまた体力仕事である。自転車の後ろに10キロ超の荷物を載せて自転車を走らせるなど育児に従事するまでしたことはなかった。
買い物もそうだ。今はほとんどネットスーパーを利用しているけど、それまではスーパーに買い物に行って一杯になった袋を2~3個自宅まで運んだものだ。それも数日に一度のペースで。
シュフ業は男でも普通に疲れる
シュフ業をやればやる程痛感するけど、家事育児は外での仕事と同等並みに疲れる。
切れ間なくやることが続く感じも精神的に来るだけど、それよりも肉体労働だから肉体的に疲れる側面も大きい。
特に女性の場合は出産を経験し基礎体力が産前より低下していることが多い。
男の俺で毎日疲れを感じるのだから、女性はもっと疲れを感じるはず。
それを「家事は楽」とか「家にいられて良いな」と言われたのではたまったものではない。
食器洗いは腰が痛くなる!
あと地味に疲れるのが食器洗いだ。
食器洗いが本当に嫌いだけど、その理由の一つに「腰が痛くなる」というものがある。
洗っている最中は、水が跳ねないようにと気を使うのか無意識に少し屈んでいるのだ。おかげで作業は5分10分で終わるが、その間ずっと屈んでいるから終わった後に腰が痛くなる。
これはわかるシュフも多いのではないだろうか?
もっとも今は食洗機があるからこの痛みからは解放されたけど。
日々のシュフ業に必要なのはねぎらいの言葉
毎日家事が・育児が大変でさ…と誰かに言われた時人は、こうすると時短になるよ・こうすると簡単だよと解決策を提示しがちだが、この場合相手が本当に欲しいのは「そうなんだ大変だね、お疲れ様」の言葉だ。
もちろん解決策は大事だが、まず相手の「大変だ」を受け止めてあげなければならない。そうでなければ「あぁわかってもらえない…」という気持ちが強くなってしまうから。
家事育児の大変さって工夫や便利な家電ではどうにもならない部分がある。
誰かに完全に代わってもらう以外のことは気休めでしかないからだ。
いくら時短しようといくら家電で工程を減らそうと、「毎日しなければならない」という事実がなくなることはない。
だからシュフに必要なのは解決策よりも、まずは「ねぎらいの言葉」なんだ。
そのたった一言を家族から日常的に言われるか言われないかで、シュフの心理的疲労度にはかなりの差が出てくる。
※LINEスタンプ「専業主夫の日々」…の選考漏れイラストより
家事育児はパートナーや家族のためにしているのだから、シュフの日々の疲れを癒す最も効果的なのは「パートナー・家族からのねぎらいの言葉」なのである。
シュフのパートナーには是非ともここを理解し、日常的にシュフに言ってあげて欲しい。
こういう言葉は強制的に言っても意味がないとよく言われるけど、そんなのは言う方の勝手な認識だ。
言われる方は何であれ、労ってもらえたという事実が大事なのだから。
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