俺はかつてずっと不思議に思っていたことがあった。
奥さんは出産を機にオシャレを控えるようになった気がする。
加えて化粧も薄くなった。
俺はサラリーマン時代に「前みたいな服装や化粧にしたら?」と何度か言ったが、奥さんはいつも「もうお母さんだし」と言って頑なに戻そうとしなかった。
別に出産後の服装や化粧に不満があるわけではない。でも出産して母親になったというだけで、以前していたことを止めることに違和感があった。
ヒールを履かずにスニーカーを履く、とかは不思議なことではない。そっちの方が危なくないし、子供を追いかけるのにも適している。
でも二月に一度くらいの夫婦の外出の時も、友人と外出する時も、なんだかとってもホンワカした格好をしているのだ。
不思議だった。奥さん自身の好みが変わったわけではない。
俺自身がこうしてくれと頼んでいるわけでもない。
横にいる俺が前みたいな服を着ないのと言っても、どこの誰とも知れない世間の「反応」を気にする奥さんの姿がただただ不思議でならなかった…
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それから時は流れ俺は主夫になった。
まだまだ珍しい主夫の立場を活かして「家事育児」について発信した。
発信し続けたら徐々に反応が来るようになり、人の呟きもよく見るようになった。
そして主婦は家事育児を普段どのようにしているんだろう、とフォロワーの多い一般人や有名人の主婦のアカウントをざっと見渡すと、「母親らしくない」行動をしたツイートが叩かれている場面によく遭遇した。
ちなみにこの「母親らしくない」はたった数人の気に入らない人達が勝手に決めつけて燃やしているだけのことが多い。
そこで俺はようやく理解する。奥さんが服装や化粧を頑なに戻そうとしなかった理由を。
母親は結婚前と同じにしていると叩かれる。
母親らしくない格好、母親らしくない化粧、母親らしくない言動、母親らしくない…
あげればきりがない。
まるで「母親とは自分を極力抑えることが美徳で、自己表現せず我慢し続ける存在」と言っているかのような状況だった。
でも不思議なことに父親の俺が派手な格好をしていたとしても、たぶん誰も何も言わない。結婚前と同じ行動をとっても叩かれることは少ないだろう。
父親らしくないことをツイートしても、大抵のことはスルーされる。
母親が叩かれることを、父親が言おうともやろうとも誰も何も言わない。
また母親がしても特に何も褒められないことを、父親がすると簡単に褒められる。
母親は褒められるハードルが異様に高くて、責められるハードルが異様に低い。
本当に意味がわからない。
主婦だって人だし、母親だって人だ。
人である以上、好きなことをする権利は当然にある。母親の義務を放棄しているわけではないんだから。
どうもここが短絡的にイコールになる人がいる。
好きなことをやったり、自分の時間を持つ=義務を放棄していると主張する人達。
我慢しなくても子育ての義務は果たせると教えてあげたい。
というか、普通なら少し考えればわかることばかりだ。
長女が生まれてからもう約10年経つけど、奥さんにはまだまだオシャレを楽しんで欲しいと思っている。
誰に迷惑をかけるわけでもないし、それで母親としてのスキルが落ちるわけでもないんだから。
人生は1度きり。誰も後悔したくないだろう。
それに親自身がやりたいこともやれないようじゃ、子供を立派に育てるなんて難しいだろう。
子育てが上手くいっているから、親が充実するのではない。
親自身が充実しているからこそ、子育てが上手くいくことを履き違えてはいけない。
▼お金を稼ぐのは尊い行為だということについて、俺の例を挙げながらnoteに書きました。noteで公開済みのハウツー・コラムもこの記事にまとめています。
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