これはとある友人の話である。
友人は奥さんと子供2人の4人家族だが、離婚をすることになり、子供は友人が引き取ることになった。
今まで住んでいた家とは別に新しくアパートを借りたのだが、入居日までの2週間は子供と3人で友人の実家に住むことになったらしい。友人の仕事は朝早いのだが実家に住むことで職場と離れてしまい、さらに子供を保育園に送る都合もあるために朝6時前には家を出ないといけなくなってしまった。
友人は言った。
「遠くなって大変だよ。朝ごはんを支度する時間が無いから、今子供には車の中でスーパーとかコンビニで買った菓子パンを食べさせてるんだ。」
これを聞いた時に俺は、何かすっと腑に落ちるような感覚を味わった。
< ああ、 「 ちゃんと 」 をやめたらいくらでも子供を育てることが出来るんだな >
と思ったのだ。
情報過多な今、様々な 「 良い情報 」 が私たちを苦しめている。
こんな食べ物が身体に良いとか、こんな食べ物が身体に悪いとか、子供への躾とか子育てなんて最たるものだろう。私達は良い情報の洪水から自分に合うと思ったものを取捨選択して生活に生かすが、その情報に従おうとするあまりいつの間にか自分自身が苦しめられている気がする。
こうしなきゃ、こうでなくちゃ、ちゃんとしなくちゃの幻想に苦しめられている。
俺自身もそうだ。
「良い情報」 の洪水からしたら友人の行動は論外だろう。
スーパーやコンビニで買った菓子パンが朝食だということを多くの常識は許さない。
しかし子供の支度をした上で朝ご飯をつくるのは今の生活では無理がある。友人はきっとそう判断した。
そして、 「 ちゃんと 」 してない方法で、(友人なりの方法で)、それでも子供に朝食を食べさせることを選んだのだ。
俺は、忙しい中菓子パンを子供に与えた友人を、立派だと思う。
こうでなくちゃの幻想に苦しめられる前に、
目の前の自分の子供にただご飯を食べさせる。
着替えさせる。
それがどんな方法でも、どんな状況でも。
こんなシンプルな思いだけで、子育てはもっとやりやすくなるんじゃないだろうか。
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