何度「毎日作る料理は大変だ」と言っても、一定数「料理なんて簡単だろう」という言葉が返ってくる。
数分で食べてしまうからそう思うのかもしれない。また毎日手作りの料理が当たり前に出てきて感覚がマヒしてしまうのだろう。
今日はあなたが毎日食べている料理がどうやって出てきているか、を書いていきたい
家事としての料理は趣味の料理とは別物なのだ
食欲は人間の三大欲求の一つであり、人間は何かを食べずに生きていくことは出来ない。
美味しい料理を食べたり作ったりすることは生きることに直結することであり、純粋な感動や楽しさがある。
また仕事として料理を行っている人達もいる。自分の料理に誰かがお金を払ってくれるのはまた違ったやりがいがあるだろう。
しかし、そうではない料理が存在する。
それが「家庭料理」だ。正確には「毎日続く料理」だ。
たまに作る料理は楽しいんだ
たまに作る料理は楽しい。
休日だけシュフの代わりに料理を作っている奥さん・旦那さんもいるだろう。
俺の父親は家事をするタイプではなかったが、数ヶ月に一度くらいの頻度で休日に集まった親戚に得意料理を振舞うことがあった。
奥さんの父親も同じタイプで、日常的に料理を作ることはないがたまに親戚が集う時に得意料理を披露して周囲の人を楽しませていた。
サラリーマン時代の俺の場合は休日に家族の昼食や夕食作りを担当することがあった。献立決めは主に奥さんで、冷蔵庫に入っている材料で作ったり…という感じ。
楽しかった。
たまにつくる料理は楽しい。
気分転換になるし、たまに作るから家族が喜んでくれるのも嬉しかった。
しかしあの頃の状態のまま「毎日続く料理」の大変さを理解することは何年経っても不可能だったと思う。
このブログでは何度も書いてきたけれど、料理の大変さは家事の中でも群を抜いている。俺が専業主夫になって一番衝撃を受けたのが、まさにこの「毎日続く料理」の大変さだ。
たまに作る料理とは天と地の差の「家庭料理」
先程も言ったようにサラリーマン時代でも休日の料理は俺がすることも多かった。すると料理なんてどこか簡単だと思っていた。
ところが、専業主夫になって数日で思い知った。
毎日朝昼晩と作る料理。
これらの大変さは休日に気晴らしのように作る料理とは全く別物の大変さだった。
たまに作る料理は、どこまで行っても趣味の域を出ないものだった。
それに休日に作る料理は、今思えばどこか気晴らしに作っていた。仕事がある上での気分転換の延長だ。だから作っても作っても後に残るのは晴れやかな気分。
黙々と材料を切ったりする行為に没頭さえできた。
また家族のために作っているから、作業と思ったこともなかった。
そんな料理が、毎日作るのが仕事になると途端に作業化するのだとは思わなかった。
※LINEスタンプ「専業主夫の日々」…の選考漏れイラストより
シュフの時間を使って作られる料理
サラリーマン時代も今も、家族のために料理を作っているのは同じ。
しかし回数が全然違う。
1日2食作る計算にしても1ヶ月では約60回、1年ではなんと730回だ。
今でこそ休日は奥さんや子供達が手伝ってくれたりホットクックという強い味方ができたりと大分マシになったが、主夫になりたての頃は奥さんも忙しくマジで1週間休みなしだった。
だから主夫になって最初の1年は多分900回以上料理を作っていたと思う…信じられない数字だ。だが俺だけが特別多いわけじゃなく、世のシュフはこれだけ毎日家族のために料理を作っているのだ。
また時間にすると1日2食の計算としても、準備から片付けまで含めて朝30分夜1時間半の合計約2時間。(2食計算なので実際はもっと長い時間だろう。)
1年でなんと約730時間もの時間を料理に費やしている。
またここに献立決めの「考える家事」や食材の買い出しや管理などの時間も入る。
これがシュフが料理に使っている時間だ。
俺はホットクック・食洗機を導入して、料理に奪われる時間は大分減った。
だが多くの人は未だにもっと多くの時間を毎日料理に奪われているはずだ。
だから毎日家で美味しく暖かい料理を食べている人は、その料理が誰の時間を、どれくらい使って作られているのかということを常に認識しなくてはならない。
毎日食べられることは当たり前じゃない
毎日起きて朝食を食べて仕事や学校へ行き、帰宅後は夕食を食べて風呂に入って布団に入って寝る。
当たり前に繰り返される日常があるのは、シュフが自分の時間を使って料理を作り、自分の時間を使って家事をしているからだ。
毎日当然のように生活しているとつい忘れてしまうが、普段の生活が実はシュフの膨大な時間を使った上に成り立っていることを忘れてはならない。
生活に必要なお金は働く側が稼いでくるが、生活に不可欠な家事という作業はシュフが一手に担っている。
お金があるだけでは生活できない。必要な作業である家事を誰かがやって、初めて家族は「当たり前」の生活ができるのだ。
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