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人生は美しい。ミュージカル「ビューティフル」あらすじと感想

シンガーソングライター、キャロル・キングの半生を描いたミュージカル「ビューティフル」。千秋楽前日に駆け込みで観てきましたが、実に素晴らしかったです。

 

その興奮のまま勢いで速報的感想を描きました。

本日はあらすじを踏まえながら感想を書いていきたいと思います。

【ネタバレ含みます】

 

 

▼▼▼

 

 

行動力の塊の少女、キャロル・キング

ニューヨークに住む少女キャロル・キングは、教師になれという母を振り切り自分の楽曲をプロデューサーに売り込みに行きます。親の「こうなりなさい」を否定し続け、力強く説得し、プロデューサーに曲を売り込んだ結果作曲家としての人生をスタートさせるのです。

勢いよくコミカルに描かれている序盤ですが、多くのメッセージが含まれていると感じます。親の言うことに反発しきれず、親の言う通りの人生を歩む子供も少なくないでしょう。

キャロルには夢があり、その夢を叶えるだけの精神力と、諦めずに母親を説得する行動力が16歳の時すでに備わっています。

ちなみにキャロルの両親は離婚しており、この作品に父親が出てくることはありません。別れた父親の文句を常々口にするキャロルの母ですが、教師になれと言う言葉は母親なりに娘を心配しているのでしょう。

うまくいかない結婚生活

ほどなくしてキャロルは同じカレッジのジェリーに出会います。ジェリーと恋に落ちたキャロルはジェリーとパートナーを組み作詞・作曲家コンビとして活動を始めます。

間もなくキャロルは妊娠。二人は結婚し、ジェリーは昼間は薬剤師として働きながら、曲を作り続けます。

キャロルとジェリーは瞬く間にヒットを飛ばすようになり、ジェリーも薬剤師の仕事を辞め作詞に専念できるようになりました。しかし家庭は息が詰まると言い帰ってこないことが多くなるジェリー。ヒット曲を作り続けなければというストレスから情緒不安定になり、別の女性に惹かれているとキャロルに宣言し浮気を繰り返します。

キャロルの母親は元夫と娘の結婚相手を重ねてキャロルを心配しますが、キャロルは自分に言い聞かせるかのように大丈夫だと繰り返します。

 

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何度もキャロルにジェリーのことを忠告してきた母ですが、離婚したキャロルには深い愛の言葉をかけました。(ミュージカルのセリフは一度観劇したときの記憶を頼りに書いているので、正確なものとは異なると思います。ニュアンスが伝われば…)

この状況だと「やっぱりこうなった」という言葉が出ると思うんですよね。

「やっぱり」離婚したじゃないかと。

何度も忠告してきた母親からすれば尚更、言いたくなる気持ちもあるでしょう。

しかし母親は言いませんでした。(それ以前の母親の言動からすると、言っても不思議ではないのですが) 

忠告って第三者だからこそ言えるんです。離婚しろと第三者が言うのは簡単だけど、当事者にとっては必ずしもそうではありません。キャロルには子供が二人もいるし、作詞作曲家のコンビとして活躍しているため、離婚は夫だけではなく仕事のパートナーも同時に失うことになります。ジェリーの浮気に目を瞑り、大丈夫、きっと帰ってくると自分に言い聞かせ続けたキャロルの心情には共感する人も多いのではないでしょうか。(しかし本当に観ていて辛く、痛々しいのです)

そんなキャロルに「やっぱり離婚した」と言うのは追い打ち以外の何物でもありません。

母親はキャロルに背中を押す最高の愛の言葉を送りました。

普段は娘を心配するあまりおせっかいだったり小言が多いように演じられる母親ですが、この時の母親は娘を一切心配していません。

あなたなら大丈夫、あなたならやっていけると娘にエールを送るのです。

人生は美しい

ビューティフルに出てくる登場人物たちは皆生き生きとしています。

速報的感想で描いたシンシア・バリーコンビ、調子のいいプロデューサーのドニ―、舞台を彩るドリフターズ、ライチャスブラザーズ、シュレルズ等の歌手達。

母親は終盤で「あの子に歌手になれって言ったのよ、私。あの子最初何になろうとしていたと思う?教師になろうとしていたのよ!!」と言って会場中を笑いの渦に巻き込んでいたり(笑) みんながそれぞれに明るく、調子が良く、生きたいように生きているのです。

物語全般に渡りキャロルを悩ませるジェリーですが、売れ「続け」なければならない音楽業界において彼が非常に苦しんでいたことを忘れてはいけません。ヒット曲を書き続けなければならないプレッシャー、しかし大衆に受ける曲は自分の作りたいものではなく、チープなものではないかという葛藤、仕事のパートナーと結婚したことでいつも安らぎが無いように感じる…父親の自覚が欠けているという意見もありそうですが、惹かれる女性と付き合ったり、自由に家を出たり、「自分の生きたいように生きる」という点においてはキャロルと一緒なのではないかとも思うのです。

人生は順風満帆なことばかりではありません。

葛藤し、人とぶつかり、ときにすり減りながら進んでいくのです。

その一瞬一瞬こそが私達が生きるという事であり、人生は「ビューティフル」だということをキャロルたちが教えてくれた気がするのです。

キャストさん達の演技力・圧倒的な歌唱力!

ここからは個別の感想。

主演の水樹奈々さんはミュージカル初挑戦らしいけど、完全に場を自分のものにしていました。少女から大人の女性までを堂々と見事に演じていました。歌唱力も声量も尋常じゃない…。ジェリー役の伊礼彼方さんはこなれ感たっぷりな色男。1960年代のアメリカンボーイが今まさにそこにいるようで…実力のある人なんだろうなあ。シンシア役のソニンさんには圧倒された。勝手なイメージでソニンさんは少女みたいな役かと思っていたら、まさかあんな姉御肌とは!いつもみんなを元気にしてくれて、一番キャラが立っていたなー。バリー・マンの中川晃教さんも超上手い!周りのバリーいじりもバリー自身も面白い(笑)後半バリーが出て来るだけで次は何を言い出すのかとワクワクしていたのは俺だけじゃないはず(笑)

プロデューサーのドニ―・カーシュナー役の武田真治さんもさすがだった。キャロルやシンシア達に上手に発破をかけ、常に売れることを考え続け、ドニ―を中心に物語が動いていく。いい感じの「大人」の役ですね。ドニ―が主役のビューティフルを観てみたいと激しく思った。

キャロルの母親のジニー・クライン演じる剣幸さんの熱演にも感動した。複雑な母親の心を見事に演じている。絵でも描いたキャロルの背中を押すシーンはビューティフルで一番好きなシーンだ。

4人組の歌手ドリフターズが一発目に出て来た時(この歌を歌うのは…ドリフターズ!ってプロデューサーの言葉から舞台が暗転、一瞬で歌謡ショーのステージに変わる)鳥肌立ったしドリフターズ最高過ぎるし、シュレルズが登場すると一気に舞台が煌びやかになって本当に1960年代にタイムスリップしたみたいだし、ライチャス・ブラザーズの低音は大人の色気すぎやしないか!?

迫力の音楽に目まぐるしく変わる舞台装置(弾いているキャロルごとピアノがくるくる回りながら袖に引っ込むところとか最高過ぎる)、本当に「舞台」ならではの世界に引き込まれました。

歌が終わるごとに拍手大喝采が起こり、ラストでは会場中が一瞬でスタンディングオベーションになったり自分を含めて観客全員がエキサイトしていました。

こんなに拍手を送るのが楽しかったことはない。

初めてまともに見たミュージカルがビューティフルで本当に良かった…

ビューティフルを作り上げてくれた全ての人々に感謝です!!

 

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